Facebook社は同社のAI科学者が「楽曲に合わせてオリジナルの振付けを精製する」人工知能を開発したと発表しました(原文はこちら)。
この発表によると、AIは音楽からずれないことと、驚きを生み出すことの2点にてオリジナルかつクリエイティブな振付けを精製するとのこと。実際に人間の眼から見ても面白い振付けが生み出されたそうです。
AIによる振付けというトピック自体はそこまで新しいものではありません。今回のこのAIの凄いところは、人間から学んで真似るということではなく、音楽を解析する過程で生まれる完全にオリジナルなものというところ。
楽曲の解析について:
インプットされる楽曲を、その周波数によってヒートマップのようなものに置き換えるとのこと。それから独自のアルゴリズムを使って、楽曲のどの部分が似ているのかを解析。協働開発者のParikh氏によると、「楽曲中の時系列で異なる、2つのポイントの類似性を見ていくのです」とのこと。このような解析結果を受けて振付けが割り当てられるため、楽曲とシンクロしたものになるそうです。
驚きを生む仕組みについて:
ダンスのクリエイティブさは予測しづらい点と関連があるとしたうえで、楽曲とのシンクロという部分以外では完全にランダムに割り当てられ、AIは移動の観点でも常に3つの選択肢(前進、後退、その場に留まる)から選択し続けることにより、人間では思いつかないような組み合わせが生まれるとか。
実際の評価:
実際に210人の人にアンケートを取ったところ、AIの考案した振付けがクリエイティブでインスピレーションを刺激したと答えた人が多かったとのこと。
しかし、こちらの発表によるとこのAIは人間の振付師の替わりになるものではないそうです。どちらかというと振付師との協業のためのインプットとして利用されるほうが現実的とのことです。確かに、上の動画を見る限りでは人間の表情や筋肉の動きといった細かい部分の表現はできないようなので、あくまでも振付師のインスピレーションの一つになれば、ということなのでしょう。